実際のFX投資の状況

クロス円は一段と急落

れ寸前までの暴落となった。  ところで、この「悪夢の昨年8月16日」の下落率は、ドル円が4.1%、ユーロ円も4.3%だった。6日のドル円下落率はそれを上回り、ユーロ円も大きく上回っ先物取引た。つまり6日は、昨年8月を上回る「悪夢の1日」となったのである。  なぜこんな具合になったのか。1つはドル安・円高が一気に進んだことだが、もう1つは対円以外ではドル高になったことだ。ドルと円の同時高が続く中で、クロス円は一段と急落したわけだ。  ところで、ちょうどFX 初心者10年前の10月6日も、ドルは急落しており、そしてそれは「ドル円史上最悪の急落」の始まりだった。98年は10月6日に134円台から一気に130円割れへドルが下落、そして翌7日は130円台でスタートしたもののそのまま120円割れ、さらに8日は120円台で始まったが111円まで一段安となった。つまり6日から8日までの3営業日で134円台から111円台へ、最大17%ものドル暴落となったのである。  これは、LTCMという大手ヘッジファンドの破綻や中南米金融市場の急落などで先物取引金融不安が急台頭した中で起こったことだった。それまでの円キャリー取引が大逆流を起こし、円の急反騰となったのである。  私はこの98年10月の局面は、昨年の夏以降、信用バブル破裂が始まった当初の局面に類似しており、すでに円キャリー取引も縮小している今回とは微妙に違うと思っている。  しかしそれにしても、先週のドルは一時100円を大きく割り込んでの急落となった。10年前ほどではなかったもの日経225の、ドルの大幅な下落となったわけで、この10月上旬というタイミングは、何ともドルにとっては不吉な日柄となったわけだ。=蒼い稲妻= 50年に1度の相場 まだまだ荒い動き続く  為替市場だけに限らず、株式や債券、商品などほとんどすべての金融市場が歴史的な価格変動を示している。  いささか余談めいた話をすると、筆者がこの業界にはいったのは92年のことであり、いわゆる「欧州通貨危機」の起こった年だった。ヘッジファンドなど投機筋の執拗なポンド売りを受けてERMと呼ばれた当時導入されていた欧州通貨バンド制の下限を割り込み、著名投資家のジョージソロス氏が英国の中央銀行である「イングランド銀行を打ち負かした男」などとして、一躍有名になった年だ。  そんなことで、92年はポンドやユーロの前身である独マルクなど欧州通貨を中心に大荒れの展開をたどったが、価格変動だけを取り上げれば今年は当時に匹敵、あるいはそれ以上。業界歴16年の筆者でも初めて経験する「大相場」と言えそうだ。  懇意にしているベテランディーラーのなかには現在の相場を「50年に1度の大相場」―などと指摘する方がいるけれども、確かにそんな気がしないでもない。渦中にいるとなかなか判らないが、のちに振り返ると今年は「歴史に残る1年」だったと考えて間違いないだろう。  さて、そんな特異な年にあたる今年もっとも懸念されている材料といえば米国発の金融危機になる。  米国の上院に続き下院においても難産の末に金融安定化法案が取り敢えず可決、公的資金7000億ドル(1ドル=100円で70兆円)で金融機関から不良資産を買い取ることが決定した。しかし、そこが「ゴール」ではない。  むしろ、具体的な買い取り価格や買い取り対象などについてまだまだ詰めなくてはならない要素がたくさん残っている。さらに、かつての日本のケースを例にとれば、金融危機がジワリと実体経済に影響をはじめたことで、当初は優良だった資産までもが不良債権化し、信用収縮はさらに高まったという経緯がある。再建はまだ入り口に立ったばかりで解決に向けた問題は山積み状態にあると言わざるを得ない。  そして、日本のバブル崩壊が象徴するように、過去の大相場は影響が予想以上に長期化するということも実は少なくない。つまり、価格変動においても簡単に収束せず、今年についてもまだしばらく、荒れた値動きが続く可能性を否定出来ないだろう。(鹿の角) 崩壊のスパイラル 上げるために下がる  前例のない協調利下げでも下げ続ける株価。為替も一時ドル円で98円台、ユーロ円で135円割れ…となった。日経平均は直近のわずか2週間で3000円近い下落となった。株価は下がるとそれだけで新しい現象を引き起こす。まずは、信用取引の追証(追加担保の差し入れ義務)。まさか…という株まで下がっているので、あらゆる信用買いは破滅だ。  次に、機関投資家はサラリーマンであるから後から「なぜ株の割合を減らさなかった。分かっていたはずだろう」といわれることを恐れる。分かるはずはない。だからこそ下がっているのだが、結果から見ればいかにも愚かに見えるから不思議だ。結果責任を追及される機関投資家は、その未来をおそれて、ひたすら株価を売りさばく。  個人も悲惨だ。投信を販売している金融機関は基準価格が半値以下になった投信の説明に苦慮している。米系プライベートバンクでは、販売したインド、ロシア、東南アジアなど新興国の株式や通貨を組み入れたファンドの基準価格が軒並み高値から半値以下になった。殆どの客は高値掴みをしている。どうにもならないが、説明するしかない。  ロシアのMICEX証券取引所とRTS証券取引所は8日、10%を超す株価の急落を受けて株式の取引を停止。インドネシアでは前日に続き9日も株式市場の取引を停止。新興国の株価下落は日本以上だからだ。  さらにデリバティブ市場の構造問題もある。10日のオプションSQ(特別清算指数)算出を控えて、株価指数先物・オプションのトレーダーにも緊張が続いたが、その理由は単純だ。大証のルールで、日経平均オプションの全限月取引において、ATM(アットザマネー、前営業日の日経平均に最も近接する権利行使価格)を中心に、原則上下8種類の権利行使価格が常に存在するように権利行使価格の見直しが毎日行われるが、SQの週だけは追加設定を行わない。今回はSQ週に想定を超す株価急落が起きたことで、「9000円以下のオプション設定が足りなくなるという異常事態が発生」(大手証券)。プットの売り方はパニック的に先物への大量のデルタヘッジ売りで急場をしのがざるを得なくなった。だが、ある意味短期的反転は近いかもしれない。これだけのゾンビが出てきたのだから。(石上) ワン・ステップで、まずつまずいて 「暗黒の月曜日」連続の理由  米下院における、先週初めの金融安定化法案否決は「サプライズ」には違いなかったが、しかし何もそれが「この世の終わり」ということではなかった。それは結果的に、先週のうちに法案が可決されたことで再確認されただろう。  ただ、一方でこれが重大な信頼の崩壊を招いたという事実も、依然否定されるものではなかっただろう。今週月曜日、先週に続き2週連続での世界的株価急落、「ブラックマンデー」となったことで、それはいよいよ一般的にも認識されるところとなっているのではないか。  そもそも、安定化法案の最初の否決、それ自体はまったく「サプライズ」だったと思われるが、一方で金融安定化法案の成立ですべてが決着するといった見方も、事前にほとんどなかっただろう。つまり安定化法案の成立は、米金融危機解決へのあくまで1ステップに過ぎないと位置づけられていた。  ところが、その1ステップで早くも躓いたのだから、この先への懸念は深刻になったということだろう。「たったこんなことも通せないのか」、あるエコノミストのそんな感想が信頼性崩壊の深刻さをうかがわせる。  金融安定化法案成立後に、一段と株価急落が広がったことで、金融市場では、法案を可決するために内容が修正され、「骨抜き」にされたためとか、先週後半に明らかになった米経済指標から、実態経済の悪化が一段と深刻化したためといった解説が多くなっているようだが、そうだろうか。  今回の米国の金融危機は、10年遅れで、日本を後追いした形になっている。日本が大手証券破綻などで金融危機が拡大したのは97―98年。それはその後強制的な公的資金注入で一段落するまで6年ぐらいも続いた。では、10年遅れで日本を追いかけている米金融危機も、これからすべて決着するまで6年もかかるかといえば、そこは違うようだ。双子の赤字で海外マネーへ依存する米経済は、危機の解決までそんなに余裕はないだろう。  日本が6年かかったことを、米国は3カ月でやらなければならず、それが出来なければドルが暴落する、そんな綱渡りが続いていると考えれば、そもそも金融安定化法案成立で完全決着ほど簡単ではないと考えられる。=蒼い稲妻= 10月相場は両極端 動く年は未曽有の変動  先週水曜日に10月入りした。早いもので、今年も残りは3カ月となる。  さて、そんな当月のドル/円相場の見通しなどについて、当コーナーで何度も取り上げている「過去の経験則」をもとに考えてみたいと思う。  まず星取りから見ていくと、90年以降昨年までの18年間で10勝8敗だった。ドル高方向に振れた回数が2回多いものの、それほど大きく偏っているわけではない。前月の9月相場もそうだったが、10月も円高、円安のいずれにもあまりバイアスが掛からないという結果になった。  10月といえばご承知のように、本邦機関投資家などは下期入りすることを意味する。リパトリエーションと言われる対外資産を取り崩しての国内資金還流、つまりは決算対策が9月までで一巡するほか、新規投資の再開が予想されることから個人的にはドル高有利と予想していたのだが、期待はずれの結果となった。  しかし、そんな10月相場を別の視点でみていくと、ひとつの大きな特徴がうかがえる。それは「まったく動かない」か「非常に激しい動きを示す」か、ふたつにひとつ。方向性は別にして両極端な値動きを示すことが少なくないことだ。  ちなみに幾つか実例を挙げると、一昨年の06年10月は変動幅3.26円で年間10位、05年は3.45円で12位、03年は9位、02年は11位、01年10位、00年12位―などとなっている。近年、とくに00年以降は前者である「まったく動かない」パターンが数多く観測されていることが見て取れる。  ただし一方で、「非常に激しい動きを示す」ケースも幾つか観測されており、またその際の価格変動というのは半端なものではない。  大手ヘッジファンドのLTCM破綻という要因があったにせよ、月間で25円以上も動いた98年のケースを筆頭に、同じく1カ月で15円近く動いた90年など事例は少ないものの、リスク要因として頭に入れて置かれると良いかも知れない。  おりしも、足元では依然として欧米金融機関に対する信用リスクの問題が引き続きくすぶっている。いったん動き始めると、非常に早くて大きいというのも10月相場の特徴だ。思わぬ値動