実際のFX投資の状況

住宅金融の救済を発表

フレディマック、ファニーメイといった住宅金融の救済を発表した。ところで、この米住宅公社救済の「週末サプライズ」は、ある程度予想されたものだった。ではこれで金融市場が安定を取り戻すかといえば、まだ微妙ではないか。  今回の住宅公社の政府管理という救済策は日曜日に発表された。このように、週明けのアジア市場オープン前のipo緊急発表というのはこの間何度か続いてきたものだ。先日ワシントンを訪問した際に聞いたところでは「ポールソン・イニシアティブ」。  金融市場に精通したポールソン財務長官が、市場の反応を意識した判断だ。実際、1月の緊急利下げも、3月のベアスターンズ救済も、そして7月のGSE支援策も、週末の緊急決定資産運用となっていた。  もう一つのポイントは、共和党大会終了ということだろう。この住宅公社救済が、共和党大会に個人向け国債水を差さないようにしたいといった政治的判断はあったようだ。  そして、もう一つの重要な目安は株価。NY、ワシントンで取材した際、住宅公社救済の目安については、株価の年初来安値更新との指摘があった。先週末、株価が急落し、合わせて、雇用統計が悪化したことで、米株の年初来安値更新は不可避の様相となっていた。その中で、ついに住宅公社救済に踏み切ったというのはわかりやすい。  このように見てくると、「サプライズ」といいながらも、かなり想定の範囲内の結果だったという気もする。ではこれで市場は安定化に転じるのだろうか。鍵は住宅市場であり、政府管理の住宅公社は、住宅市場安定化への貢献を増やせば、政府の負担が膨らむリスクがあるから、その辺りはまだ微妙ではないか。  くわえて、この「サプライズ」の影に隠れた形になっているが、5日発表の失業率はついに6%を超えて急悪化となった。FRBが6月末に公表した見通しでは、年末時点の失業率の予想レンジは5・5―5・8%。つまり今回の失業率は、FRBの見通しを上回る悪化だったといえそうだ。今回と同じようにFRB見通しを上回る失業率悪化となった1月はその後FRBの猛烈な利下げに向かったが、今回は?=蒼い稲妻= ア系中銀の防衛介入 ドル/円の円安要因に  韓国を筆頭にフィリピンやタイ、インドネシア、マレーシアなどアジアの中央銀行による断続的な自国通貨の防衛介入が観測されている。  実際市場では8日、9日と韓国中銀によるウォン買い・米ドル売りの市場介入を実施したとされている。  韓国などアジアの中銀がなぜ活発な市場介入を実施しているのかというと、最大の理由は通貨安にともなう輸入インフレを嫌気してのようだ。  状況的には日本も似たようなものだが、原油や穀物価格の上昇によりアジア諸国は国内のインフレが最近急上昇している。それを幾分なりとも抑えることを目的とした通貨安へと誘導するために為替市場介入が断続的に実施されているという。  さて、そんなアジアの中銀による自国通貨買い介入は、かなり巨額で実施されているとの見方がある。たとえば、いささか旧聞になるけれども、7月11日付けの日経新聞では同月8日と9日だけで韓国中銀は「60〜90億ドル」という大規模な市場介入を実施した可能性があると報じられていた。  そんな為替市場で実施される自国通貨の防衛市場介入は、原則として介入を実施する当事国と介入対象通貨を有する二国のみの問題。つまり、韓国中銀の場合で言えば本来は韓国とドルを有する米国との問題―になる。  しかし、アジアの中央銀行の場合には、話はそれほど簡単ではない。  なぜなら、アジアの中央銀行が介入する際には、保有する外貨準備のドル建て資産の取り崩しを実施するとともに、日本とのスワップ協定で円を借り入れ、さらにそれを原資とし為替市場で「ドル買い・円売り」を実施して介入用のドル資金を調達する必要が生じるためだ。  したがって、いま一度韓国中銀を例に挙げると、市場で実施されるオペレーションとしてはまず「ドル買い・円売り」が実施され、そこで得た資金を元に「ウォン買い・ドル売り」を実施していることになる。  ということは、韓国中銀による自国通貨の防衛介入はドル/円での円安を増長させかねないリスクを孕んでいるとも言えまいか?  通常のドル/円取引とは、一見相関性のうかがえないアジアの中銀による市場介入にも、もっと注意する必要があるのかも知れない。(鹿の角) レバレッジ解消急務 相場は晩秋から初冬に  相場の世界はすでに秋。米経済の悪化から円高進行〜といかにももっともらしく説明されているが、実際の相場のキーワードは、「過剰債務の整理」、つまりレバレッジの解消である。そこで、考えて欲しいのは、レバレッジをかけたのは確かに米銀やヘッジファンドが主体、つまり米国や英国、あるいは無国籍…だったわけだが、そのレバレッジ源泉は、比較的金利の安いドルと円だったわけである。つまり、調達金利の安い円と米ドルを借りて、ユーロ、商品、新興諸国株式などに投資していたわけだ。従って、デレバレッジは以下の段階を追って進行した。もっともリスクの高まった資産、つまり証券化された住宅ローンを売り、次に収益が悪化しそうな先進国市場の金融株を売り、次に新興諸国株式を売り、最後には唯一利益の残った商品を売った。そこまで、レバレッジ解消に動かされたのは、世界同時不況が現実化しつつある中にあって、米国のファンダメンタルズがいっこうに改善されていないからだ。  米労働省が5日発表した8月の雇用統計は、失業率が6.1%と予想外の大幅上昇となり、約5年ぶりの水準を記録。非農業部門雇用者数は8万4000人減と8カ月連続で減少。予想では、非農業部門雇用者数は7万5000人減だったが、2カ月の修正を入れれば、実質13万の減少とも言える(7月の雇用者数は前回の5万1000人減から6万人減、6月も5万1000人減から10万人減へ修正)。もはや片の付いたインフレ懸念よりも世界同時不況の方が恐ろしい。エコノミストは「景気後退初期の典型的な雇用減少」と指摘しているくらいで、これからが本番であろう。中身も悪い。製造業では約6万1000人と03年半ば以来の水準となった。建設は8000人、専門職は5万3000人、レジャー・接客は4000人の減少。わずかに雇用者数が増加したのは政府部門(1万7000人)、教育・医療サービス(5万5000人)などごく一部にとどまった。  世界同時不況のリスクが高まる中で、震源地となった米国はスパイラル的下落が止まらない、レバレッジの解消は急務だ。そうなると、世界に過剰流動性を供給してきた円高は、クロス円の暴落を伴ってまだまだ続く。(石上) ドルにプラスの展開なのか 20周年の節目で  ∨…総合  株価指数先物取引が国内証券取引所で開始されて今月は、ちょうど20年目。東京・大阪両取引所は、先日記念シンポジウムを開催したが、そこで大証は、米最大の先物取引所、CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)との相互協力協定(MOU)の締結を発表した。実は、このシンポに招かれていたのは、CMEグループの名誉会長、レオ・メラメド氏。72年に世界初の通貨先物市場を創設した人物としても知られる。このビッグネーム来日に併せ、「大証は何かサプライズを考えているのでは?」といった鼻が利く関係者も一部にはいたようだ。予てよりデリバティブ(金融派生商品)分野を重視し、日経平均先物をCMEにも上場してきた大証。相互決済、そして24時間取引への第一歩がみえてきたようだ。  ∨…国内市場  その大証、ジャスダック証券取引所を巡っては、先日もTOB(株式公開買い付け)開始を延期するなど、調整に手間取っている。130億円との資産査定をした売却側の日証協との隔たりは、約110億円。溝を埋めるのも容易ではない。ヘラクレス市場とともに新興市場を担う同市場だが、肝心の新規株式公開(IPO)市場は元気がない。8月までのIPO企業は29社と、16年ぶりの低水準だという。ただ、これには業績悪化で上場基準を満たせないという理由のほか、来年スタートの株券電子化を睨み、上場を躊躇するケースや前述、市場の統合問題も足枷らしい。  一方、週末のメジャーSQを控える国内株式市場。政治的空白のほか、指数への銘柄入れ替えなどが要因となり、値動きの荒い展開となろうか。  ∨…為替  原油価格100ドル割れも囁かれるなか、先日OECDは、日欧のGDPを下方修正の一方で、米国を上方修正するなど、今しばらくは「相対的に」という実に心許ない根拠のもと、ドルにプラスの相場展開なのか。だが、ドル円相場は直近5カ月連続で陽線。3月までの下落幅に対するフィボナッチ61.8%戻し=113.27円達成を前にやや調整含みとみたい。(和千) 対ユーロでドル安値更新時の事 秘密合意未完リスク  8月末、日経新聞は、「複数の国際金融筋」の話として、3月のドル急落時に、日米欧が協調介入で秘密合意していたと報じた。あの95円までドルが急落した局面を指していると考えられる。  ところで、この後の4月にG7が開かれた。ここで発表された共同声明には、2000年9月にユーロ買い協調介入が実施された時にも使われた「為替の動きを懸念する」といった表現が入ったため、一部では協調介入の可能性も注目された。  しかし実際には、その後4月後半にかけて対円はともかく、対ユーロではドル安値更新となったが、ここで協調介入は実施されなかった。  過去のG7共同声明を見ると、協調介入が実施された際、必ず使われていたのが「為替市場で協力する」といった表現だったが、これはこの4月声明に入らなかった。その意味では、上述のように、4月後半にかけて対ユーロでのドル安値更新が静観された動きと整合的だろう。  以上から考えられることは、確かに3月に95円までドルが急落した局面で協調介入も想定した議論があり、何らかの合意もあったのかもしれないが、それはその時点では不完全だったということ。  実際、当時の感覚からすると、協調介入の完全合意は難しいと考えるのが当然だったのではないか。米国は4月末まで利下げを続けていた。一方欧州は7月に利上げをおこなった。これだけ金融政策の方向性がドル安と一致していた中で、いくらドル急落を懸念してもドル防衛の「完全合意」には躊躇があったのではないか。  米利下げが4月で打ち止めとなり、欧州追加利上げ観測も急後退した最近になって、「じつは3月にドル防衛で秘密合意していた」といわれれば説得的な感じを受けるが、3月当時なら合意を試すといった具合に、逆効果になりかねなかったのではないか。いずれにしても、金利差の方向性と逆行するドル防衛協調介入実施には相当の覚悟が必要だっただろう。  以上からすると、かりに3月のドル防衛